- 公務員の副業の範囲ってどこまで?
- 上長の許可を得ればやってもいい副業あるって聞いた…
- 公務員の副業がバレたらどうなる?
「副業解禁元年」といわれた2018年、働き方改革を目的として様々な職種で副業が解禁されました。
公務員も例外ではなく、兵庫県神戸市や奈良県生駒市で副業の認可基準を設定。公益性の高い副業に限り認可基準を定める自治体が増えているのが現状です。
この記事では、公務員の副業として許される範囲を解説します。記事の内容を参考にすれば、副業禁止規定に引っかかることなく副業できます。
公務員が許される副業の範囲は、人事院規則14-8に記載されています。合法的に副収入を得るには、人事院規則で定められた範囲を超えてはいけません。
線引きがあいまいな公務員の副業について、知識をつけましょう!
公務員もできる副業はある
原則公務員は営利目的の副業が禁止です。しかし、投資や農業など公務員もできる副業があります。
公務員の副業が禁止されている理由
公務員の副業が禁止されている理由は、地方公務員法に明記されています。
地方公務員法第38条(営利企業への従事等の制限)
職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
地方公務員法に加え、公務員として守るべき3つの原則も存在しています。
- 信用失墜行為の禁止:地公法第33条
- 守秘義務:地公法第34条
- 職務専念の義務:地公法第35条
時代の流れに合わずおかしいと思っても、地方公務員法と3大原則により公務員の副業は認められていません
国家公務員法や地方公務員法で副業全体に関する規定は定められています。しかし具体的な副業の種類や名前は定められていないのが現状です
線引き曖昧なこともあり、懲戒処分を受ける事例が後を立ちません。公務員の副業がバレた事例は数多くあり、減給や戒告処分を課せられています。
これはOKでこれはNGという規定がないから混乱します。
許可を得れば公務員もできる副業の範囲
公務員の副業はすべてNGではありません。任命権者の許可を得れば公務員でもできる副業があります。
地方公務員法第38条2項(営利企業への従事等の制限)
人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。
営利目的の副業すべてがダメというわけでなく上長の許可を得ればOKな副業もあるということ。許可を得れば許される副業の範囲は人事院規則14-8に規定されています。
人事院規則14-8
1 職員が営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね又は自ら営利企業を営むこと(以下「役員兼業等」という。)については、人事院又は次項の規定により委任を受けた者は、その職員の占めている官職と当該営利企業との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがなく、かつ、営利企業に従事しても職務の遂行に支障がないと認められる場合であって法の精神に反しないと認められる場合として人事院が定める場合のほかは、法第百三条第二項の規定により、これを承認することができない。
人事院規則14-8に明記されている副業
人事院規則によると、以下の範囲を超える部分は営利目的の副業とみなされます。言い換えれば、以下の範囲を超えなければ公務員も合法的に副業ができるのです。
副業の種類 | NGとみなされる範囲 |
農業・酪農・養鶏など | 大規模な経営 |
不動産 | 戸建て:5棟以上 土地:10件以上 戸建て以外:10室以上の部屋 劇場、映画館など、娯楽集会のための不動産 旅館やホテルなどの建物の不動産 |
駐車場の賃貸 | 建築物やまたは機械設備を設けている場合 駐車台数が10台以上 |
賃貸料の収入 | 年額500万円以上 |
太陽光電気 | 出力が10キロワット以上 |
例えば不動産の賃貸をする場合、「5棟10室以内」かつ収入が年額500万円未満であれば副業禁止規定に引っかからりません。
しかし地方公務員は、各自治体の条例で副業に関する規定を定めているケースがあります。
具体的な範囲は、所属する自治体に直接確認したほうが間違いありません。
許可申請に必要な書類
人事院規則に定めれている範囲を超えないので副業するには、上長の許可が必要です。
許可を得るには、副業の種類に応じて自営兼業承認申請書を提出します。書類が受理されれば副業が認められたということです。
人事院規則14-8 第7項関係
自営の承認を申請する場合には、不動産又は駐車場の賃貸に係る自営にあつては別紙第1の様式による自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)、太陽光電気の販売に係る自営にあつては別紙第2の様式による自営兼業承認申請書(太陽光電気の販売関係)、不動産又は駐車場の賃貸及び太陽光電気の販売以外の事業に係る自営にあつては別紙第3の様式による自営兼業承認申請書(不動産等賃貸及び太陽光電気の販売以外の事業関係)を承認権者に提出するものとする。この場合において、当該自営兼業承認申請書には、それぞれ次に掲げる資料を添付するものとする。
無許可で行えば処分の対象です。無許可で不動産賃貸を行った教員が懲戒処分を受けた事例があります。
副業の許可を得るための申請書は「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について 第7項関係」からダウンロードしてください。
許可申請に対しての承認基準
副業の許可申請には承認基準があります。自営兼業承認申請書を提出すれば必ず受理されるとは限りません。
副業の許可申請を受けた上長は、次の基準にしたがって承認するかどうかを判断します。
- 公務員としての業務と副業の内容に利害関係または利害関係の発生のおそれがないこと
- 公務員としての職務遂行に支障が生じないこと
- 公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと
上記をまとめると「本業に絶対迷惑をかけるな」と解釈できます。地方公務員法の副業禁止規定や、公務員だけに定めれた3大原則を忘れてはいけません。
本業に支障をきたさない範囲で副業しましょう。
株や投資は許可不要
株・FX・積立NISAなどの投資や資産運用は、公務員でも上長の許可なく行えます。金額の大小によらず、自営兼業承認申請書を提出する必要はありません。
平成29年1月からiDeCo(個人型確定拠出年金)がスタート。公務員の資産運用を後押ししています。
ただし勤務時間中に株などの取引を繰り返し行うのは避けてください。職務専念義務違反とみなされ、懲戒処分を課せられます。
過去に多くの公務員が職務専念義務違反で処分されています。株やFXなどの取引をするなら、業務時間外に行いましょう。
公務員におすすめの副業
株や積立NISAは公務員におすすめの副業があります。バレるかどうか心配せずに副業できます。
アフィリエイトは営利目的なのでNG
公務員の副業でアフィリエイトは許されません。「バレなきゃOK」という考え方では倫理観が崩壊します。
公務員の副業はアフィリエイト一択!
バレなきゃOKだし、ダメな事例もないよ!
↓
ブログ始めるならレンタルサーバーとドメイン!
おすすめのASPはコチラ!てやつ、全員クソだと思ってる。
まず公務員にアフィリエイト勧めてる時点でクソ。
— ロコ@ブログとペラサイトの人 (@loco_14free) July 21, 2020
公務員として働いているなら法令遵守は当たり前。1人の公務員が犯した過ちは、同じ自治体だけでなく全国の公務員に悪影響を及ぼします。
アフィリエイトは100%営利目的です。副業禁止規定に真っ向から反するため、絶対に手を出さないでください。
公務員の副業でアフィリエイトはダメ。危ない橋を渡って公務員の立場が危うくなるなら、潔く退職して専業アフィリエイターになればいいと思います。
副業を解禁した自治体
営利目的の副業は認められていませんが「社会通念上の範囲内」であれば報酬を受け取っても良いとされる自治体が出てきました。例えば北海道です。
北海道ではイチゴやトマト、コンブ漁など一次産業の収穫を手伝うアルバイトが認められるようになりました。
» STV札幌テレビ(外部サイト)
働いた分の対価を受け取っても、副業禁止規定に引っかかりません。公共性が高い内容なら、報酬を受け取ってもOKとする自治体が増えています。
公務員がアルバイトで貢献することで、人手不足解消などに役立つもの。北海道以外にも山形県や長野県などの農業が盛んな地域でも、同様の動きが見られます。
公共性が高い副業なら報酬を受け取っても問題なし、とする自治体が増えてきています。
公務員の副業が認められている範囲を知ろう
公務員が営利目的で行う副業は原則禁止です。地方公務員法と以下の3大原則で定められています。
- 信用失墜行為の禁止:地公法第33条
- 守秘義務:地公法第34条
- 職務専念の義務:地公法第35条
時代の流れに合わずおかしいと思いますが「ダメなものはダメ」なのが公務員です。
しかし地方公務員法には、副業の種類や名前が具体的に明記されていません。線引きが曖昧なので混乱してしまいます。
人事院規則で上長の許可を得るべき副業の範囲を確認しましょう。許可を得ずに副業を行ってはいけません。バレたら懲戒処分を下されます。
公務員でも副収入を得る方法はたくさんあります。小遣い稼ぎや投資なら、副業禁止規定には引っかかりません。正しい知識を身につけて、公務員も副業を始めましょう。
コメント
コメント一覧 (8件)
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[…] また、上長の許可を得る必要がある副業にも該当しませんし、ご家族に公務員がいる方もまったく問題なし。 […]
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[…] 良いことは一つもないので、公務員の副業が許される範囲内に収めましょう。 […]
[…] 気になる方は、公務員の副業が認められている範囲は?をご覧ください。 […]
[…] 上記を満たしたていれば、副業の承認を得られる場合があります。» 公務員の副業が認められている範囲 […]