公務員を辞める理由を言語化するのが難しいと感じていませんか?
公務員といえば終身雇用制度が当たり前で、定年まで約40年間働き続ける職業というイメージが強いかもしれません。
しかし近年、若手公務員の退職者数が増えている現状を踏まえると、公務員=最強の時代は終わったといえるでしょう。
- 公務員を辞めて新しいことにチャレンジしたい
- 仕事や人間関係が辛くて職番環境を変えたい
- でも退職の理由が思いつかない
そんなあなたのために、よくある公務員の退職理由や面接での伝え方を2年で辞めたぼく()がお伝えします。 @loco_14free
- 結論:公務員の退職理由はネガティブなものが多い
- ちょっとした違和感が積み重なり『退職』という決断につながる
- 公務員だから定年まで働かなければいけない決まりはない
- おれは公務員になる前からいずれ公務員を辞めるつもりでいた
- 前向きな理由も伝えて円満退職につなげる
公務員は民間企業にくらべて特殊なので、肌に合う人と合わない人の差が激しい職業だと思います。
ぼくも公務員そのものがまったく合いませんでした。
ただ、合わないことは悪いことではなく、適材適所という言葉があるように自分が合う場所で輝けばいいだけなのです。
公務員の退職理由まとめ

公務員を辞めたいと思う理由はいくつかあります。
決定的な理由がある人もいれば、複数の要素が絡み合って最終的に『退職』という決断をする人もいるでしょう。
ぼくの場合、『自分に合わない』という小さな違和感がどんどん積み重なった結果、公務員を辞めることにしました。
では具体的にどのような理由から公務員を辞めたいと思うのか。
ぼくの実体験も交えてご紹介します。
人間関係のストレスが辛いから
最も多い理由は人間関係によるストレスです。
部署の規模にもよりますが、公務員は民間企業にくらべて閉鎖的な環境下に置かれています。
また、ほとんど外部とかかわりを持たない部署の場合、一年を通して同じメンバーと過ごすことになりますね。
少しでも不協和音が鳴ったりギスギスした空気感に包まれたりすれば、その場にいるだけで苦しくなる
閉鎖的な環境ということは逃げ場がないということ。
公務員もみえないストレスを抱えていますから、人間関係の悩みは辞めたいと思う理由の1つです。
仕事にやりがいを感じられないから
公務員の仕事は一度覚えれば誰でもできてしまいます。
なぜなら前年踏襲が仕事の大前提で、ほとんどの業務がマニュアル化されているから。
公務員は約3年に一度部署異動があり、毎年必ず大勢の新人が採用されますよね。
まったく同じメンバーで仕事をするのは1年間だけで、年度が変われば上の人は総入れ替え、なんてことも珍しくありません。
それでも公務員の仕事は回ります。止まることはあり得ません。
採用2日目から担当業務の説明を受け、予算に関する業務に着手したことです。
3日目には外部と電話でやり取りしました。
新人研修を受けていないにもかかわらず、です。
あとから民間企業に勤めている友人に話を聞いたところ、
手厚い新人研修が行われる→先輩職員の仕事ぶりを見ながら勉強→少しずつ自分1人でやる仕事が増える
このような手順を踏んだそうです。
公務員は採用してすぐ即戦力として扱われます。
言い方を変えれば、新人だろうが何だろうがマニュアル通りに進めれば問題なく業務ができてしまうということ。
ぶっちゃけ公務員は誰だっていいのです。
『全体の奉仕者』という責任はありますが、仕事自体は難しくないのでやりがいを見出すことができません。
やりがいを感じられない仕事をモチベーションを高く保ちながらこなすのは至難の業ですよね。
誰でもできる仕事に魅力は感じられず、その結果『公務員を辞めたい」と思う理由になるのです。
年功序列で実力が評価されないから
公務員の悪しき伝統の1つ『年功序列』のせいで、実力が正しく評価されません。
しょっちゅうタバコを吸いに行く上司より、中身を確認せずただ決裁のハンコを押す上司より給与が低いんです。
納得いきませんよね。
部長や課長クラスになると、一公務員としての責任に加え部署全体、課全体の責任も背負うことになります。
また、公務員の仕事は『答え』がある場合がほとんどなので、実力を測る指標がないんですね。
だからこそ評価方法が年功序列になってしまうわけですが…。
実力で評価されたい人にとって公務員の年功序列制度は耐えがたく、辞めたいと思う気持ちが強くなるでしょう。
スキルが身に付かないから
公務員として働いているだけで特別なスキルが身に付くことはありません。
なぜなら公務員試験さえ突破すれば誰でも公務員になれるから。
公務員試験を受けるためも公務員として採用されてからも、何か資格が必要になることはありませんよね。
つまり、働き始めてからもスキルが身につくことはないのです。
とりあえずマニュアル通りに仕事する。
決裁が回ってきたらなんとなくハンコ押す。
どうせ時間内に終わらないから残業する。
毎日毎日この繰り返し。
全員がこんなモチベーションではないかもしれませんが、表に出さないだけでほとんどの人が当てはまると思います。
スキルがいらない分、仕事に対して身が入らない・周りの人と張り合いがない、そんな空気感だったように感じました。
同じような業務を繰り返す日々に嫌気がさし、辞めたいと思う気持ちが強くなるのです。
公務員の体質が古いから
年功序列やハンコ主義、お役所仕事など公務員の体質は古いまま。
変化の激しい現代において、これほどまでに体質の古さを維持し続けている仕事はほかにないでしょう。
公務員の体質が古い理由は次の2つだと思っていまして。
- 昔の恵まれていた時代が忘れられないから
- 全体の奉仕者ゆえ、そう簡単に制度を変えられないから
ひと昔前の公務員は定時退庁が当たり前で給与もよく、公務員=最強の職業だったそうです。
しかし今となっては、公務員の終身雇用も安定とはいえず未来が激変するのではないかと言われています。
公務員そのものがアップデートしなければ時代に取り残されるどころか、お荷物とみなされるかもしれない
公務員はすべての人に対して平等でなくてはならないので、今まで築き上げてきたものをおいそれと変えることができないのも事実です。
何かあればすぐ批判の的になるのも公務員ですから、立ち位置的にも難しいものがあります。
全体の奉仕者だから、という理由で体質が古いままでいいわけではありません。
時代に逆行している公務員の体質の古さに息が詰まることも公務員を辞めたいと思う理由の1つです。
理不尽なクレームが多いから
特に市役所の窓口業務担当は、毎日のように理不尽なクレームを受けていると思います。
税金で暮らしているから何を言ってもいい、みたいな風潮を感じざるを得ません。
理不尽なクレームを言われたらストレスも溜まり嫌な気持ちになります。
ただ、理不尽なクレームはNGとしても文句を言いたくなる気持ちは分からなくもありません。
なぜなら公務員の説明は根本的に分かりにくいし、本当に市民のためになっているかも分からないから。
職員は丁寧に説明したつもりでも、市民にとっては納得のいく回答が得られていない
職員と市民の認識にズレがあるからこそ、『クレーム』という形で表現せざるを得ないのです。
もし自分が近隣住民だったら、として客観的に聞いてみたら、やはり意味不明な説明がチラホラあったんですね。
中で打ち合わせしているときはこれでOK、問題なしとして課長からゴーサインが出ました。
しかし住民目線だと理解できないこともある。
役所の言うことだから仕方なく我慢するしかないけど…
という心に芽生えた違和感が、いずれクレームとして返ってくるのではと思いました。
クレームを言われても言い返すことはできません。
そのストレスがどんどん溜まってしまい、辞めたいという気持ちに昇華されるのです。
ほかにやりたい仕事ができたから
ここまで公務員を辞めたいと思うネガティブな理由をご紹介しましたが、前向きな理由で辞めたい人もいます。
公務員ではなくほかにやりたい仕事ができて退職を決意する
たとえば大学時代生物を専攻していたとして。
本当は生物学者になりたかったけど親の勧めで公務員になった。でも夢を諦めきれない。
公務員として働きながら学者になる勉強を続け、見通しが立ったので辞める。
このような道を歩む人もいます。
本当にやりたいことが見つかったから。もう一度夢にチャレンジしようと思ったから。
前向きな理由で公務員を辞める人もいるということを覚えておいてください。
俺が公務員を辞めた理由

公務員を辞める決定的な出来事があったわけではありません。
- 公務員に合わない
- 仕事自体が楽しくない
主にこの2つのネガティブな感情がどんどん膨れ上がった結果、退職する決断を下しました。
そもそもぼくは公務員になる前、大学院2年生のころからいずれ辞めようと考えていたんです。
定年までずっと公務員でいるつもりはなく、入庁3年後もしくは6年後に辞めようかなと。
ただ、実際に働いてみると体質も特徴も評価基準も何もかも自分に向いてないなと感じたんです。
配属先や仕事内容に不満があったわけではなく、公務員そのものと自分が合わない。
このモヤモヤを抱えたまま3年も働くのはムリ。
でも1年で辞めるのはなんか違う、もう1年働いて2年目が終わるタイミングで辞めよう。
こんな風に考えました。
面談では何と答えればいい?

退職を申し出ると、所属課長と面談する機会が設けられます。
- なぜ退職したいのか
- 退職してこれからどうするのか
大きくこの2つが聞かれます。
「ほっといてくれよ、俺の人生なんだから…」と思うかもしれませんが、円満退職するためにもしっかり対応しましょう。
ぼくの場合5月下旬に行われた上期の業績評価面談のときに伝えたので、改まって面談する機会はありませんでした。
ほかにやりたいことがある場合
堂々と挑戦したいことがあると伝えましょう。
優秀な人材や若手職員の退職数が年々増えています。
公務員だから定年まで働かなければいけない決まりはなく、やりたいことが見つかれば殻を破ってチャレンジすべきです。
さすがに、前向きにチャレンジしたい気持ちを持っている職員を無理やり引き止めることはしません。
ただ、公務員以上に待遇が良い職業はないぞ、と言われる可能性があります。
おっしゃる通りですが、待遇以上に大切なものがありますよね。
むしろ引き止めの言葉に揺らぐくらいなら、退職せず定年まで公務員でいた方がいいと思います。
公務員を辞めて新しい道を進むという強い気持ちがあるなら、堂々と伝えてください。
人間関係のストレスや仕事内容が合わない場合
正直に伝えると「異動に融通を利かすから」などの理由で引き止められる可能性があります。
ネガティブな理由だと辞めたいのに辞められず、うまく話を丸め込まれるかもしれないのです。
今の職場が辛い→部署が変わっても私の辛い気持ちは変わらない→辞めたい
という気持ちを伝えられれば、無理に引き止められることはないでしょう。
もちろん辛い現状を述べることは大切ですし、むしろ正直に話した方が職場環境改善につながります。
現状が辛い、ストレスだということを正直に伝えたうえで少し前向きな理由もつけ足してください。
まとめ
この記事では、公務員の退職理由と俺が2年で公務員を辞めた理由について書きました。
公務員を辞めたいと思う理由はどうしてもネガティブなものが多くなりがち。
ネガティブな理由が悪いわけではありませんが、後腐れなく辞めるなら前向きな理由も伝えるべきだと思います。
また、新しいことにチャレンジしようという強い意志を伝えれば『頑張れよ』と背中を押してくれるもの。
円満退職して誰も嫌な思いをしなくて済むよう、退職理由は前向きな理由も伝えてください。