公務員は土日祝日が休みで、完全週休二日制です。
カレンダー通り休みがある公務員ですが、有給休暇を取得しやすいかどうかって大事なことですよね。
また、通常の休み以外にまとまって取れる休みがあるのかも気になると思います。
そこで当記事では、元公務員のぼく()が @loco_14free有給休暇の取りやすさや取得状況について、実情をぶっちゃけます。
- 公務員1年目の方
- 民間から公務員へ転職する方
結論から言うと、公務員は有給休暇を取りづらい傾向にあります。
『公務員は定時退庁が当たり前』という風潮があるのになぜ有給休暇は取りづらいのか。
詳しくご説明します。
公務員は有給休暇を取りやすい?

所属部署や時期にもよりますが、公務員は有給休暇を取りづらい傾向にあります。
理由は、①業務量が多いから、②有給休暇を取れる雰囲気ではないから。
それぞれ詳しく解説します。
業務量が多すぎて有給休暇を取れない
業務量が多すぎてなかなか仕事に区切りをつけられないため有給休暇が取りづらくなります。
公務員は一人ひとりが担当している業務量が膨大です。
要領がいい人はうまく仕事をこなし、担当業務の区切りをつけているのですが…
さらに、次から次へとやらなければならないことが舞い込んできて、仕事がたまる一方なんですね。
有給休暇を取ろうと思えば取れます。
しかし、休んだ分だけ業務がたまると思うと、なかなか休みを取りにくいのです。
公務員の業務は『一人親方状態』。
周りの人にお願いしたくてもできないことが多いですね。
上司や年の近い先輩がカバーしてくれますが、それでもやはり担当第一。
有給休暇を取りたいときに取りづらいのは、しょうがないといえばしょうがないのですが…
思い切って休むのは難しい傾向にあります。
有給休暇を取れる雰囲気ではない
いわゆる同調圧力です。
- みんな働いてるんだからからお前も働くべし
- みんな忙しいのにお前は休むの?
このご時世、さすがに面と向かって直接言われることはありませんが…
香ばしい考え方をお持ちの『昭和の塊オジサンオバサン』が、必ず一人はいます。
ぼくは新採でわりと激務な部署に配属されました。
毎日残業が当たり前のような部署だったんですけど、
新採1年目のある木曜日。
医者に行く、など特別な理由も何もない木曜日に、有給休暇を申請しました。
理由は『ただ休みたかったから』。
ぼくが担当していた業務がひと段落ついたので、ちょっと一息つきたいなと思ったんです。
で、上司に有給休暇を取りたいと申し出たら
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をされたんです。
(。´・ω・)ん?
何か用事あるの?具合悪い?ご家族に何かあった?
質問攻めにされました。
もちろん全員ではありませんが、父親世代の上司にとって何でもない日に有給休暇を取るということはありえないことなんだなと。
珍獣でも見るような目で見つめられました。
この記事を書いていて改めて考えたのですが…
何でもない日に有給休暇を取ることってオカシイのでしょうか…
有給休暇は権利で、休みたいときに休むための制度だと思っていたのですが…
ぼくの認識が違っていたのでしょうか…。
有給休暇の取得状況は?
総務省の『平成30年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果』によると、年次有給休暇の使用状況は次の通り。
- 都道府県:12.4日(12.1日)
- 政令指定都市:13.9日(13.8日)
- 市区町村:11.0日(10.7日)
※()内は平成29年の平均有給休暇使用日数
公務員の年次有給休暇取は、年間で20日間まで取得可能です。
都道府県、政令指定都市、市区町村いずれも平均して半分以上は取得しているということになりますね。
平成26年からは、年々有給休暇使用日数が増えているのが分かります。
都道府県は全体平均より取得日数が多く、市町村は全体平均より取得日数が少ないという結果に。
ただしこれらの調査結果は、あくまで平均値です。
平均値なので、取得日数が多い人もいれば極端に少ない人もいる
20日間フルに取るひともいれば、3日間くらいしか取らない人もいるということ。
最低限の休みしか取らず、特別な理由がない限り有給休暇を取らない人の方が圧倒的に多いのが現状です。
公務員がまとめて取得できる休み

公務員がまとめて取れる休みは①夏季休暇と②年末年始休暇の2つです。
それぞれ解説します。
夏季休暇
7月から9月までの3か月間のうち、約6日間取得できます。
夏季休暇は通常の年次有給休暇とは別に定められているので、実質25日間年休があるということですね。
組合交渉の結果、夏季休暇を取得したそう
特に新規採用職員を対象に、組合への勧誘が頻繁に行われます。
ぼくもしっかり勧誘されました。
もちろん組合への加入は強制ではありませんから、ぼくは頑なに勧誘を拒んでいました。
すると、業を煮やした30歳くらいの組合員から
「組合に入らないのに夏季休暇とか恩恵を受けるつもり?」
と言われました。
勧誘でそれを言っちゃあオシマイよ。
いくら加入させたいからと言って、『脅し』ともとれる言葉で誘うのは三流のやり方でしょ。
ってばあちゃんが言ってました。
この一言で何かがプツンと切れたぼくは、以降勧誘がきてもオール無視。
組合に加入することなく、夏季休暇の恩恵だけ受けましたとさ。
部長や課長クラスの人たちは、お盆に合わせて夏季休暇を取得していました。
上の人たちがまとめてお休みになられるので、職場に残るのは若手が中心。
普段うるさい上司もいませんし、世間的にはお盆休みなので外部からの電話もほとんどなし。
お盆に出勤してお盆以外に夏季休暇を取得する
お盆期間は1年で一番平和に仕事ができる時期でもありますね。
夏季休暇取得日数は、自治体によって違いがあります。
年末年始休暇
12月29日から1月3日までの6日間です。
年末年始休暇は、『行政機関の休日に関する法律』に定められています。
第一条 次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし・・・
一 日曜日及び土曜日
二 国民の祝日に関する法律に規定する休日
三 十二月二十九日から翌年の一月三日までの日(前号に掲げる日を除く)
- 夏季休暇:7月~9月のうち約6日間(自治体によって取得日数に違いあり)
- 年末年始休暇:12月29日~1月3日までの6日間(法律で定められている)
夏季休暇と年末年始休暇のほかにも、育児休暇や介護休暇、慶弔休暇など、各種休暇が設けられています。
また、休んでいる間の手当てもしっかり付きますから、公務員の福利厚生はかなり充実していますね。
採用1年目の4月から有給休暇を取得できる
新規採用された1年目の4月から有給休暇を取ることができます。
1年目に年休を取得できる日数は15日間です。
通常職員 | 年間20日 (1月~12月として数える) |
新採職員 | 年間15日 (4月~12月として数える。4月に採用されるので、通常の職員の4分の3) |
労働基準法第39条では、雇われてから6か月以上経過しないと年休は取得できないとされていますが、公務員には労働基準法が適用されません。
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用元:e-Gov 労働基準法第三十九条
労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第二章の規定並びに船員災害防止活動の促進に関する法律(昭和四十二年法律第六十一号)第二章及び第五章の規定並びに同章に基づく命令の規定は、地方公共団体の行う労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)別表第一第一号から第十号まで及び第十三号から第十五号までに掲げる事業に従事する職員以外の職員に関して適用しない。
したがって、公務員であれば採用1年目の4月から、いきなり有給休暇を取得することができます。
ちなみにぼくは、入庁して3週間目に左耳が聞こえなくなったので有給休暇を取って病院に行ってきました。
まとめ
この記事では、公務員は有給休暇を取りやすい?【地方公務員の場合】について書きました。
所属部署や時期にもよりますが、全体的に有給休暇は取りづらい傾向にあります。
- 業務量が多く区切りがつけにくいから
- 突発的な業務で休みたいときに休めないから
- 同調圧力で有給を取れる雰囲気でないから
ただ、総務省の調査結果によると、平均して有給使用日数は増えています。
ただしあくまで平均値なので、20日間フルで取る人もいれば、2,3日しか取らない人もいるということ。
理想は休みたいときに有給を取ること
公務員がまとめて取れる休みは、夏季休暇と年末年始休暇の2種類。
基本的に休日はカレンダー通りなので、『GW休暇』や『お盆休み』というものはありません。
お盆期間は、上の世代がまとめて休みを取るので、職場に平和が訪れます。
公務員には労働基準法が適用されないため、新採1年目の4月から有給を取得できますよ。
ただし、1年目の取得可能日数は15日間
周りの目を気にせず、休みたいときに休む。
それが、有給休暇の正しい姿です。
