世間的には『公務員は安定している』『公務員は楽』というイメージが強いようです。
しかし、個人的には公務員のイメージと実情は大きくかけ離れていたように思います。
ぼくが公務員として働いた期間は2年間ですが、濃い経験をたくさんしました。
そこでこの記事では、元公務員のぼく()が @loco_14free公務員のリアルな実態や内部事情を徹底的に解説したいと思います。
公務員の勤務時間は?

公務員の勤務時間は1日あたり7時間45分、1週間に換算すると38時間45分です。
ほとんどの自治体では、1日の流れは次のとおり。
午前 8:30~12:00(3時間30分)
昼休み 12:00~13:00(1時間)
午後 13:00~17:15(4時間15分)
8:30に業務スタート、1時間の昼休憩をはさみ、17:15に業務終了となります。
また、一部の自治体では昼休みが45分で終業時刻が17:00のところもありますよ。
午前 8:30~12:00(3時間30分)
昼休み 12:00~12:45(45分)
午後 12:45~17:00(4時間15分)
1ヶ月あたりの勤務日数は20日前後。
公務員の休日は、夏季休暇など年次有給休暇もあわせれば、年間120日以上となる計算です。

有意義な昼休憩を過ごす方法

みなさんそれぞれ、貴重な昼休みを満喫していました。
- 食堂で会話を楽しみながらランチを食べる
- 近くのお店に出かけてランチを食べる
- 昼食はササっと済ませて昼寝する
- 散歩に出かける
- スマホゲーム・マンガ・読書
昼休みの過ごし方に決まりはありませんが、絶対にやってはいけないことがあります。
それは、仕事をすること。
メリハリがなくなるので、基本的に昼休みの仕事はご法度です。
公務員の仕事は区切りがつけにくいので、やろうと思えばいつまでも仕事ができますね。
だからと言って、『休み』の時間に仕事をしてしまえば、15時くらいに必ずダラけます。
実際、仕事ができる人ほど昼寝をしたり読書をしたりして過ごしていた
休むときはしっかり休んで、メリハリをつけて仕事をしましょう。

公務員は有給休暇を取りやすい?

部署にもよりますが、公務員は有給休暇を取りづらい傾向にあります。
理由は2つで、①業務量が膨大だから、②有給休暇を取れる雰囲気ではないから。
公務員は一人ひとりが担当する業務量が膨大ですね。
休めばその分だけ仕事がたまってしまうので、休みたくても休めない状況。
また、『みんな働いてるのに休むの?』という同調圧力のせいで、有給休暇を申請しづらいこともあります。
医者に行く、子どもの行事があるなど特別な理由もなく年休を取ろうとすると、かなり驚かれます。
有給休暇は権利で、年20日間(新採は15日間)取ることができるので、休みたいときに休みましょう。

飲み会は年に何回ある?

公務員の定例の飲み会は年に4回です。
- 4月:歓迎会
- 7月:暑気払い
- 12月:忘年会
- 3月:送別会
自治体や部署によっては、上記のほか6月や9月にも飲み会を行っているようです。
飲み会の会費は、『親睦費』として毎月の給料から天引きされます。
また、所属課全体の飲み会のほか、係内での飲み会や上司から誘われて飲みに行くことも。
もちろん飲み会の参加は強制ではありませんので、お酒が飲めない方や飲み会の雰囲気が嫌いな方は、無理に参加する必要はありません。
詳細は、公務員の飲み会の頻度はどのくらい?【全員参加の飲み会、必要?】をご覧ください。

公務員の仕事は楽なの?

昔のイメージがまだ残っているようですが、公務員の仕事は楽ではありません。
- 膨大な業務量
- クレーム対応
- 世間の目
- 見えないストレス
- 本庁勤務のヤバさ
ひと昔前は、公務員は定時帰りが当たり前で、今ほど仕事が忙しくなかったそう。
特に50代、60代の方たちは昔の公務員のイメージそのままに、『公務員=楽、公務員=安定』と思われているようですが、実態は真逆です。
今後、激しい社会変化や専門的なことへの対応も増えますから、公務員はますます忙しくなるでしょう。

公務員の給料は多い?

公務員の給料は少ないです。
新採1年目の手取りは、だいたい16万,17万円くらい。
住宅手当や寒冷地手当、交通手当など各種手当は支給されますが、税金など天引き額が意外と高いんですね。
収入が増えないのであれば、固定費を見直し支出を減らす努力が必要です。
固定費の見直しは、はっきり言ってめんどくさいですが節約効果はバツグン。
チマチマ食費を削るより、断然お得です。
https://loco14blog.com/saving-koteihi/
公務員は時代遅れ?

2019年5月、トヨタ社長が『終身雇用は限界』発言をして話題になりました。
ほぼ同時期に、経団連会長などトップたちも同様の発言をしています。
『終身雇用が限界を迎えている』のは、民間企業に限らず公務員も同じことだと思っていまして。
- 体質の古さ
- 専門性のなさ
- 時代遅れの制度
ぼくが公務員時代にいつも思っていたことは、公務員は時代が止まっているということ。
膨大な紙の資料、コミュニケーションツールは電話、ハンコ絶対主義など、現代にそぐわない慣習が未だに残っていますね。
公務員は全体の奉仕者であるため、特別な知識やスキルが必要ありません。
しかし、これからの時代を生き抜くには『専門性のなさ』が仇となるかもしれないのです。
現状を理解し公務員として生き抜くためにも、世の中の情報をを知り、激しい社会の変化に対応しましょう。

公務員もできる副業

公務員の営利目的の副業は、原則禁止されていますよね。
その理由は、地方公務員法に明記されています。
地方公務員法38条(営利企業への従事等の制限)
職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
引用元:地方公務員法
ではなぜ公務員の副業は法律で禁止されているのかというと、公務員のためだけに存在している3つの原則があるからです。
信用失墜行為の禁止(地公法第33条)
本人や職場、公務員全体のイメージを悪くしたり信用を失ったりする行為をしてはいけない。
秘密を守る義務(地公法第34条)
職務上知りえたことを外部に漏らさない。退職後も適用される。
職務に専念する義務(地公法第35条)
職責遂行のため全力をささげよ。
これらをまとめると、公務員は国民からの信用を失ってはならず、外部への情報漏洩や業務に支障をきたすことは絶対ダメ!ということです。
ただし例外があり、上長の許可を得れば認められる営利目的の副業があります。
たとえば、
- 10室以上の不動産賃貸
- 駐車台数10台以上の駐車場賃貸
- 出力が10キロワット以上の太陽光発電
どの範囲まで副業が認められるかは、次の記事にまとめています。
https://loco14blog.com/komuin-fukugyo-range/
まとめ
この記事では、公務員のリアル徹底解剖【時代遅れ?仕事が楽?サービス残業は当たり前?】について書きました。
ぼくは2年間しか公務員として働いていませんが、実感したのはイメージと実態がかけ離れていたこと。
定時帰りが当たり前と聞いていたのに、1年目の4月から残業しました。
楽な仕事と聞いていたのに、担当業務が多すぎてパンクするかと思いました。
また、『公務員は安定』というのも当たり前ではなくなってきています。
不安を煽るつもりはありませんが、
- AIやIT技術の台頭
- 人口減少に財政難
- 社会変化や専門的なことへの対処
公務員を取り巻く環境は、ひと昔前とくらべて格段に変わっているということを、頭に入れておいた方がいいかもしれません。
公務員の未来を描いた『10年で激変する!「公務員の未来」予想図』
著者は奈良県生駒市市長の小紫 雅史さん。
現行の公務員試験制度を廃止し、SPI3を使った面接重視の採用試験を行うなど、『公務員の未来像』を体現しています。
これからの公務員の在り方を説いた、革新的な1冊です。