- トヨタ社長が『終身雇用は限界』って発言をした(2019年5月)けど、民間企業の話でしょ?
- 公務員は変わらず安定してるよね
公務員といえば『安定している』というイメージが強いと思います。
しかし公務員の安定は、この先ずっと続くのでしょうか。
- IT化やデジタル化が進んでいる中、紙ベースのマニュアル作業が多い公務員
- 人口減少による財源不足が懸念されている地方自治体
- 年功序列や前年踏襲など、時代遅れの制度
終身雇用の限界は民間企業だけの話ではなく、近い将来に公務員も直面する問題だと思います。
ではなぜ公務員の安定神話は崩れようとしているのか、元公務員のぼく()が理由を考えました。 @loco_14free
- 公務員を志望する学生・予備校生
- 公務員へ転職を考えている20代、30代
- 20代、30代の現役公務員
上記に当てはまる方はぜひチェックしてみてください。
『公務員にはスキルがない』『公務員が安定の時代は終わった』なんていきなり言われても付いていけない…。
という方は、10年で激変する!「公務員の未来」予想図を読んでみてください。
著者は、奈良県生駒市市長の小紫 雅史さん。
“あなたが公務員でいるうちに、年功序列も終身雇用も崩壊する”
として、必ず訪れるであろう公務員の未来について独自の切り口で書かれています。
公務員の生き残り方のヒントが分かるかもしれません。
『公務員が安定している時代はもう終わり』の理由

公務員は安定しているとよく言われますが、それはひと昔前の話。
公務員の安定神話は、確実に崩れかかっています。
なぜなら、公務員の性質そのものが時代に逆行しているから。
時代に逆行している公務員の性質として挙げられるのは次の3つ。
- 体質の古さ
- 専門性のなさ
- 年功序列や前年踏襲など時代遅れの制度
それぞれみていきましょう。
体質の古さ
公務員最大のダメな特徴は、昔ながらのやり方をずっと変えないこと。
- 資料のほとんどが紙ベース
- 前に進まない打ち合わせ
- ハンコ決裁絶対主義
明らかに時間対効率が悪いのに、変化を嫌って昔のやり方を変えませんよね。

また、AIやIT技術がどんどん進んでいるにもかかわらず、積極的に取り入れようとしないのも事実。
これじゃあ社会の変化に対応できるはずがありません。
ぼくが所属していた部署だけかもしれませんが、予算要求業務時期は、公務員の体質の古さが凝縮された日々でした。
①:係内で打ち合わせ
これを何度か繰り返して、やっと係内はクリアです。
で、ここからさらに予算担当に説明しなきゃいけないので、また3部くらい印刷します。
②:予算担当と打ち合わせ
予算担当が納得してくれたら、部署内はクリアです。が、まだまだ終わりません。
今度は、予算担当から財政課に説明するためまた資料を3部くらい印刷します。
③:財政課へ持っていく
はい、ここでまた①に戻ります。
予算要求業務は、一つの事業、施策に対して、財政課、でかい案件だと総務部長まで説明してOKをもらうまで、①~③が延々と続きます。
資料が多くなる業務こそ、データ化すれば一発で時間短縮できると思うんですけどね…。
上の世代的に、資料をデータで扱うとか、PCやタブレットで会議・打ち合わせをする概念がないのでしょうけど…。
『現状から目をそらし続けることはヤバいよ』ということを誰も指摘しないことが、組織としてヤバいと思います。
専門性のなさ
公務員は全体の奉仕者であるため、専門的な知識は不要です。
よく言えば、試験にさえ合格すれば誰でも公務員になれるということ。

しかしこれからの時代、『専門的な役割を行政が担う』ことが増えると思います。
いつまでも『公務員はゼネラリスト』ではいられない
また、官民連携して事業を行うことになれば、行政側にも専門性が求められるのは当然のことですよね。
事務的な作業を繰り返すだけでよかった時代はもうとっくに終わっているのです。
公務員は税金で生きているので、思い切った決断や『とりあえずやってみる』ができないのは理解しています。
世間の目も風当たりも厳しくなっていますから、慎重に決断したくなる気持ちも分かりますが…
だからと言って、公務員には専門性がいらない!とはなりませんよね。

年功序列や前年踏襲など時代遅れの制度
負の遺産です。
年功序列も前年踏襲も、公務員が現在ほど忙しくなかったときに生まれたクソ制度。
イタすぎて目も当てられません。
公務員の仕事は覚えれば誰でもできるものなので、何もスキルを必要としません。
さらに、民間企業と違って公務員は利益を求めませんよね。
スキルが必要なく全体の奉仕者である公務員には、実力を測る指標がない。
したがって『長い期間勤める続けること=素晴らしい』となってしまうんですよ。
これが年功序列の正体です。
さらに、全ての人に対して平等であるべきなので、新しい考えはとりあえず不要。
まずは今までうまくいっていたことと同じようにやる、それでうまくいかなかったら初めて新しいことを検討する。
抽象的ですが、これが前年踏襲の正体です。
時代は刻々と変化しているにもかかわらず、内部の制度は昔のままって…。
百歩ゆずって、業務評価的に年功序列はしょうがないとしましょう。
ただ、前年踏襲は工夫次第で改善できると思いませんか?
いつまでも昔の公務員のイメージを引きずっていては、時代に取り残されて生きていけなくなります。
公務員の弱点はコレ

公務員の仕事は覚えれば誰でもできるので、特別なスキルや知識が不要です。
また、民間企業のように利益を求めないので、個人の実力を測る指標もなし。
ゆえに、『ゼネラリスト養成所』と言われる
さらに前年踏襲というありがたい制度があるので、新採だろうと何だろうと関係ありません。
入庁して初日に驚いたのですが、公務員は新採だからとはいえ先輩がほぼ付きっきりになることはありません。
- システムの使い方や決裁文書の作り方など基本的なこと
- 担当業務に関する大枠の説明
あとは自分でやってみて、という感じでした。
ぼくとしては、付きっきりで自分の仕事を見られるのが嫌なので、サッと説明してくれるだけで十分でしたが…
たぶん、大半の人は戸惑うと思います。
分からないことはそのつど上司や先輩に聞いてね、と言われましたが、新人はなかなか声をかけづらいもの。
それでも、前年踏襲が前提の公務員なので、過去の資料を見れば新人とはいえある程度のことは理解できます。
けっきょく、社会人戦闘力ゼロの新人が入っても、公務員の仕事は回るということ。
もちろん新人が一人入れば、上司や先輩たちが気を使っていろいろ教えてくれます。
それでも、一度コツをつかめば業務は進められますよね。
- 新採1年目の初日から戦力と見なされる公務員
- 約3年に一度は部署異動がある公務員
こんな現状でも仕事が回るのは、特別なスキルも知識もいらないからですよね。
しかしスキルがなければ、急激な社会変化や専門的なことに対応できません。
『誰でもなれる』が公務員の良いところであると同時に、最大の弱点でもあるのです。

時代遅れの公務員ができること

まずは世の中の情報を知ることが必要なのかなと思います。
『一人でも生きていけるようなスキルを身につけるべき!たとえばプログラミング!』と言う人もいますが、難易度が高すぎ。
公務員はかなり閉鎖的な環境なので、普通に仕事をしているだけでは外からの情報が入ってきません。
公務員の仕事とはまったくと言っていいほど関係ないように見えますが、そうとは言い切れません。
公務員の仕事はレジ打ちのような単純な作業が多いので、たとえば発注業務なんかは自動化できますね。
世の中がデジタル化、自動化に進んでいるのに何も情報を得なければ、いざ切り替わったときに『何それ?知らないんだけど?』となります。
割と公務員は世間知らずです。
公務員という組織が、いきなり最先端技術を取り入れるなどして変化することはありえません。
だからまずは、日ごろからニュースに目を通し、世の中の情報に対して敏感になりましょうということ。
世間の流行や世界のトレンドを知っておくだけで、周りと大きな差をつけられると思います。
『公務員にはスキルがない』『公務員が安定の時代は終わった』なんていきなり言われても付いていけない…。
という方は、10年で激変する!「公務員の未来」予想図を読んでみてください。
著者は、奈良県生駒市市長の小紫 雅史さん。
“あなたが公務員でいるうちに、年功序列も終身雇用も崩壊する”
として、必ず訪れるであろう公務員の未来について独自の切り口で書かれています。
公務員の生き残り方のヒントが分かるかもしれません。
まとめ
この記事では、【公務員は時代遅れ?!】公務員が安定している時代はもう終わりかもしれない…について書きました。
時代に逆行している性質を持つ公務員は、もはや安定とは言えません。
『終身雇用は当たり前』なんてのはひと昔前の話。
体質の古さや専門性のなさ、時代遅れの制度など、変化を嫌っていては将来必ずツケが回ってきます。
組織がいきなり変革することは無理。
であれば、個人の意識を少しずつ変えていくために、世の中の情報に敏感になりましょう。
